院内処方のメリット|堺市の泉ヶ丘皮ふ科クリニック

院内処方のメリット

当院は院内処方を基本としています。

メリット、デメリットもちろんありますが、総合的に考えて院内処方を選択いたしました。

以下、メリットデメリットをあげていこうと思います。
私の考えは以下ですが、もちろん色々な考えがあってよいと思います。
院外処方を希望される方は遠慮なさらずにお申し出いただければと思います。

メリット
  • トータルの患者さんの代金が安くなる
  • 自分の知っている薬を患者さんに使ってもらえる
デメリット
  • 患者さんの院内での待ち時間が長くなる
  • 複数の医療機関で処方を受けた場合、一元管理が難しい時がある
  • 特殊な薬は取り寄せのためお待たせすることがある
ここからは医院のデメリット
  • 在庫リスクがでる
  • 調剤のために人件費がかかる
  • 仕入れ時は消費税がかかるが、処方時は消費税はいただけない。
  • 限られた医院のスペースをとられてしまう

コストの面についていえば、細かな規定が設けられていて、実際の計算は複雑ですので割愛させていただくとして、単純に言えば、院外処方代は院外薬局が維持できて利益がでるコスト分、薬代に上乗せされていると考えていただければよいでしょう(薬局を維持し、従業員に給料をはらい、かつ利益がでないとだれもしない)。このため1回の処方で院内処方より院外処方のほうが、患者さん負担は数千円割高になります(実際の負担はその3割~0割と保健の種類によって変わります。また、健康保険の負担は結局は保険料を払う国民全体の負担となります)。

国の政策として院内処方から院外処方への誘導があるため、院内処方は人件費、在庫リスク、消費税などを考えるとほぼ利益なし・・・というか場合によっては赤字という状況です。

ではなぜ院内処方を当院では選んだかといえば、ひとえに患者さんのメリットゆえとなります。医事計算のほかに、薬剤処方、間違いのないためのダブルチェックなど、院外処方病院より診察後の待ち時間は長くなってしまいますが、医院を出て、また薬局に行き、そこでまた待って、コストを余分に払うことと比べていただきたいのです。
当院の取り組みに御理解いただければ幸いです。

メリットを最大に享受するための大切なこと

院内処方のメリットは経済性と利便性にありますが、さきほどお伝えしたように、待ち時間が長くなる、薬の種類がかぎられているため、すべての薬でジェネリックに対応することが難しいため、薬代自体を節約することが難しいなどがあります。またどうしても調剤専門に人員を置くことが難しいため、他院で処方された薬などとの重複や併用による相互作用のチェックが甘くなる可能性があります。このため、現在御自身が内服や外用している薬があれば、それを記載した手帳や書類を御持参いただき、診察時に医師に見せていただきたいのです。

院内処方について当院の考え

当院は院外処方を否定しているわけではありません。かかりつけ薬局を持つことで複雑な処方や、複数の病院にかかっておられる患者さんの服薬管理をしっかりしていただける場合などは、院外処方のコストを御負担いただいても十分にメリットがある場合もあると思います。また小児や乳児の精密な薬剤調合は、やはり専門の薬剤師の管理が必要であることも理解しております。このことから、患者さんが院内処方を望んでおられても、「今回は院外処方でお願いします」と、お伝えすることもあることもご了承いただけたらと思います。

また先程も少し述べましたが、ジェネリック医薬品に関してもすべてに対応しておりません。これは在庫スペースの制限もありますが、しっかりした効果を吟味した薬剤を置いておきたいとの思惑もあります。もちろんジェネリック医薬品の中にも非常にしっかりと効果のある丁寧に作られたものもあり、それらは当院でも採用しております。しかし、特に軟膏では、主成分が同じであっても、基材の質、種類がことなることで、皮膚の刺激や薬剤の吸収率がまったく変わってしまい、治療効果に差がでるものもありそのような薬剤では先発メーカーしか置いてない場合もあります。

当院では院長が吟味しコストと効果のバランスに優れた薬品を採用しております。昨今の社会保障費をめぐる環境を考えれば、いつまでこのような体制を続けられるか不安ではありますが、できるかぎり患者さんにメリットある医療を提供していきたいと思う次第です。

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