皮膚外科について
皮膚科はあまり知られていませんが、もともと外科的処置の多い科です。
外科と言えば一般的には消化器外科、呼吸器外科や整形外科を思い浮かべる方々も多いと思いますが、傷の治療から、皮膚腫瘍、やけどなど皮膚科医が担当する外科分野も多いのです。簡単な外傷や、やけどなどから、皮膚悪性腫瘍まで、私たちは豊富な臨床経験をもっております。できるだけ痛みの少ない、できるだけ整容に配慮した手術を提供したいと考えております。また高次病院との連携も可能です。
当院は日帰り手術を行える施設です。皮膚癌(がん)の診断や、皮膚、皮下腫瘍の治療方針の決定なども可能です。
思わぬ内科的疾患が見つかるケースも
「皮膚は内臓を映す鏡」という言葉を耳にされたことがおありかと思います。内臓をはじめとする体内の状態や血行の調子、ホルモンバランス、ストレスの有無などが複雑に絡み合って、皮膚の症状として現れて来ることが少なくないのです。
ですから、小さな皮膚疾患を検査しているうちに、思わぬ内臓疾患が見つかるケースもありますので、皮膚の異常が見られたら、早めにご相談ください。 当院では、「内科認定医」である医師が、内臓疾患からくる皮膚疾患にも適切に対応いたします。
*当院では「日本皮膚科学会認定皮膚科専門医」が患者様お一人お一人の症状に合った、適切な診断と治療を行います。
やけど
やけどは、日常生活において最もよく見られる外傷の一つです。
やかんやポットの湯、コーヒーやお茶、てんぷら油、またカップ麺の湯などによる高温の液体によるやけどが多く、ストーブやアイロンなどへの接触によるものが、これに続きます。
やけどをしたら、水道水などですぐに冷やすことが肝心です。
これにより熱による組織損傷が深くなることを防ぐだけでなく、受傷した部位の炎症を抑え、痛みをやわらげることができます。その場合、無理に衣服を脱がず、水道水などの流水を衣服の上から直接かけます。
やけどの治療
当院では、皮膚にとどまるやけどまででしたら治療いたしますので、ご相談ください。
やけど部分に薬以外のものを塗ると、かぶれや細菌感染を起こすことがありますので、患部に薬などを塗らずに、すぐに受診してください。ティッシュなどを貼ると、患部にくっついて処置が難しくなる場合がありますので、貼らないようにしてください。
やけどが広い範囲にわたる場合は、やけどをした部分の炎症によって血管内の水分が移動して減少し、循環障害から血圧低下を来たす場合があり、全身管理が必要になります。こうした場合は、入院施設のある医療機関への受診が必要です。やけどの部位や深さにより多少異なってきますが、大人では中等度熱傷と呼ばれる2度のやけど(表皮の下の真皮に達するやけど)が体表面積の15%以上を超えると、入院加療の適応になります。
皮膚腫瘍
皮膚に生じたできもののことを皮膚腫瘍と言います。
腫瘍とは組織の一部が病的に変化し、増殖したものです。腫瘍は良性と悪性に大きく分けられ、良性腫瘍は一般に増殖が緩やかで生命をおびやかすようなことはありません。
一方の悪性腫瘍(がん)は近くの組織に進入したり、遠隔転移して増え続けていき、生命にも影響してきます。一見、ほくろやしみなどと紛らわしい皮膚がん(悪性黒色腫など)もありますので、皮膚に気になる異変が生じましたら、早めに皮膚科専門医にご相談ください。
傷
日常生活においても、傷を負うことはよくあります。
傷と一言で言っても、その内容はすり傷・切り傷から、腱や骨まで達しているものまで様々です。
傷を扱う診療科も、皮膚外科だけでなく、整形外科や形成外科、一般外科など、多岐にわたりますが、皮膚表面の傷をきれいに治す専門科と言えば、皮膚外科になります。傷が深くて腱や骨、関節などが損傷しているかも知れない場合には、整形外科が扱います。
何科を受診するか迷った場合は、とりあえず医療機関に電話をして状況を伝え、対応してもらえるかどうかを確認しましょう。
当院では、皮膚にとどまるけがでしたら、きれいに治るように適切な治療をいたします。
巻き爪
巻き爪とは、足の指にある爪の両端の先端部が、大きく内側に湾曲した状態を言います。負担のかかりやすい親指の爪が巻き爪になることが多いのですが、その他の指の爪もなることがあります。
巻き爪は、見た目が悪くなってしまうだけのことと、侮ってはいけません。巻き爪が進行すると、肉の部分に曲がった爪がどんどん食い込んでいき、炎症を起こして次第に激しい痛みを引き起こすようになります(陥入爪)。さらに、曲がった爪に巻き込まれた皮膚が化膿してしまい、歩くことが困難になる場合さえあるのです。
また、強い痛みから足をかばおうと、いつもとは違った歩き方をしてしまうために、足首や膝、腰にも負担がかかり、捻挫や膝痛、腰痛の原因になるケースもあります。
巻き爪(陥入爪)の治療法には、変形した爪が生えてくる爪母(爪の付け根にある、爪をつくる部分)をなくしてしまう手術療法と、コットンパッキングや形状記憶合金ワイヤー、プレートなどを使用するや保存療法の2種類があります。